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連載 The Renovation ~インプレオビフォーアフター~|1階

● 地盤

木造の家は築45年ともなれば多少の傾きもあるだろう、とは覚悟していたが、看破できない程とは思わずにいた。佐山さんのご指摘で、しっかり地盤まで調べることに・・・。
結局、杭打ちから棟上げまでの抜本的な基礎工事から手をつけることになってしまった・・・。

● 玄関

中に入ると、壁も汚れていないし、フローリングもそれほど傷んではいないように見受けられた。
大事に住まわれていたんだろうな、と感じる建物ではあった。

結局玄関を入ってすぐのところに階段をつける。
1階はゲストスペース、2階はスタッフスペースとわかりやすくエリア分けができた。
階段を玄関から続くすぐのとろこにつけたこともあり、壁がなくなって玄関スペースがゆったり感じられたと思う。

● 階段

玄関を入ってDKから階段を上がると間取り。 階段は建物の真ん中にあり、上下ともに部屋を分けていた。
2階の階段を上がるとすぐのところに2階用のトイレがあった。

玄関を入ってすぐ左側に階段が伸びる。
2階から差し込む光を少しでも取り込むように、全面壁にはせず、戸の上部3分の1くらいまでガラスを入れた。
そのおかげか狭い階段もあまり圧迫感はなく、抜けた感じになっている。

● スタジオ

玄関入ってすぐのところに、6畳程度のDKがあった。正面がL字型キッチン。
45年前は先進的な文化住宅だったんだろう。 前の住人の方は収納庫を増設したりして、大事に使っていた様子がうかがえた。

スタジオの位置をどこにするか・・・。
最初は2階にしようかとか、色んな案が出た。そもそもどこまでお金をかけて、どこまで変えるのか・・・結局はそこだった。
階段の位置も変えてしまうことで、既存の間取りに引きずられないレイアウトが可能に。
キッチン部分はスタジオに変貌することになった。

そもそもこのプロジェクトは「自社MAスタジオを持ちたい」という思いからスタートした。
ゴージャスな設備ではなく、自分たちの身の丈に合ったシンプルな「ナレーション録音スタジオ」で良いのだ。
従来のテレビだけではなく、様々なメディアで多言語録音の需要が今後は益々高まるだろうから、その時に身軽に対応できる体制を作っておきたかったのだ。

● ゲストルーム

和室にのんびりした光が射していた。 意外にも陽当たりも風通しもいいのではないか、とプラスポイントに思えた。
和室側は陽当たりも良く、風も抜けそうだったので、ゲストを迎える打ち合わせ室にしたいと考えた。

富ヶ谷の打ち合わせ室でも使っていたアンティークの家具を置くとなると、最低でも6畳は必要と思われた。

和室を縁側から見たところ。正面は階段の下を利用した押入れになっている。
建物を真ん中で2分する階段の存在が自由なレイアウトを妨げたため、階段の位置は変えることに。

打ち合わせ室のドアはアンティークのスクリーン(衝立)を引き戸になるよう、建具やさんに加工してもらう。
ここでも西側から射す光を少しでも取り入れるよう、全面ステンドグラスのドアというのがポイントだった。

外側から見える北西の角部分は実は浴室だった。当然ながら浴室は不要。 無駄なものを一切排除。
浴室や洗面所はすべて取り払い、和室部分と合体させて、打ち合わせコーナーにすることにした。

富ヶ谷の打ち合わせ室で使用していたアンティーク家具のうち、もう一つのテーブルセットの居場所を作ることはできなかったが、その他ほぼすべてのアンティーク家具が収まった。まるで測ったかのようにサイズはぴったりだった。

1階和室奥の猫の額ほどの庭部分。
隣家の壁が迫っており、ちょっとシャビィな目隠し板が立てられていた。

かなり値の張ったウッドデッキ。しかしながら・・・最初からのイメージにあったので押し切った。 少しでも広く見える錯覚になればと。また隣家の壁が目の前に迫っているのではちょっと興ざめ。これから少しグリーンなども置いて工夫のし甲斐がある・・・。

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